- 「働きながら専門実践教育訓練って受けられるの?」→働きながらでも利用可能です。
- 「在職中に受講するなら何の訓練がいいんだろう?」→コスパがいいのはITスキルです。
専門実践教育訓練給付金は、在職中の人でも働きながら利用できる給付金です。通算2年以上の雇用保険被保険者であれば、だれでも利用できます。
教育訓練給付金のうちでもっとも給付金額が高く、受講費用の50%が支給されます。さらに受講した資格・スキルを活かして再就職した場合は20%が追加支給されます。
働きながら専門実践教育訓練を受講する場合は、事前にハローワークで受給資格確認が必要です。早めにハローワークで訓練前キャリアコンサルティングを受けておくとスムーズです。
何のスキルを身につけようか迷っている人にはIT系のスキルが良いでしょう。短期間で習得できて、年収の高いIT業界への転身も視野に入るからです。
- Web系スキル:未経験者でも短期間で身につけやすい。Reスキル講座にセットされたWebコースで学ぶ方法がある。
- プログラミング:AIやIoT、データサイエンスなど将来性が高い仕事を目指せる。Reスキル講座で学ぶ方法がよい。
この記事では、働きながら専門実践教育訓練を利用する方法について解説します。
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専門実践教育訓練給付金をわかりやすく解説【支給要件と流れ】
Contents
働きながら専門実践教育訓練給付制度
- 専門実践教育訓練は、働きながらでも利用できる。
- 利用条件は、雇用保険加入期間が2年以上あること。
- 年齢に上限はない。
- 受講料はいったん自費で支払っておき、修了後に支給申請して給付(還付)してもらう。
専門実践教育訓練給付金は、労働者の中長期的キャリア形成に資する教育訓練が対象となっています。
働きながらでも利用できる給付制度なので、何かの資格・スキルを習得してスキルアップしたい人にはお得な訓練方法と言えます。
教育訓練給付金のなかでも、専門実践教育訓練給付金は受講料の最大70%が給付される利用価値の大きい給付金となっています。
- スクール・講座に支払った金額の50%(ただし上限は40万円/年)。
- 資格取得・スキル習得後、1年以内に再就職するとさらに20%を追加支給(ただし上限は16万円/年)。
専門実践教育訓練給付制度を利用すると、資格・スキルの習得にかかる費用は半額で済むということになります。

さらに受講修了後1年以内に、取得した資格・スキルを活かせる職業に就職すると受講料の20%が追加給付されます。
つまり、訓練後に転職した場合は最大70%の給付となるため、受講料の自己負担は3割で済むことになります。
受講料はいったん自費で支払う
教育訓練給付金は受講料金を前借りできる制度ではないため、受講料はいったん自費で支払う必要があります。
受講修了後、または半年ごとにハローワークに支給申請して給付金を支給してもらうことになります。
プログラミングスクールの受講料(6ヵ月分)で入学金と受講料合わせて50万円の場合
- 事前に支給要件を確認し、受給資格確認票を提出。
- プログラミングスクールに50万円を支払う。
- 半年後に25万円(50%)が支給される。
- さらに、資格・スキルを習得し1年以内に再就職すると10万円(20%)が支給される。
受講料をクレジットカードのローンで分割払いする場合でも、結局はクレジットカード会社が立て替えていることになります。その場合は、クレジット契約証明書が必要です。

在職中に給付金をもらうには
- 専門実践教育訓練の利用要件:雇用保険被保険者の期間が2年以上あること。(過去に利用したことがある場合は通算3年以上。)
- 専門実践教育訓練の利用方法:訓練前キャリアコンサルティングを受けてジョブカードを発行してもらい、受講開始日の1ヶ月前までに受給資格確認をする。
専門実践教育訓練の利用要件
在職中に専門実践教育訓練給付金を利用するには、受講開始までに通算2年以上の雇用保険被保険者であることが要件となります。
通算2年とは、在職中の雇用保険だけではなく、転職の経歴があれば転職前の雇用保険も含まれます。ただし、前職と現職の間に、1年以上の雇用保険加入期間の空白がある場合は通算されないので、この点は注意が必要です。
自分が専門実践教育訓練給付金の支給要件を満たしているかどうかは、現住所を管轄するハローワークでの受給資格確認で確認してもらえます。
もし転職の経歴があって雇用保険加入期間がよく判らない人は、受給資格確認で確認できます。

専門実践教育訓練の利用方法
- 受講したい講座・コースが専門実践教育訓練の対象となっているかどうかを、学校やスクールの無料入校案内またはカウンセリングで確認する。
- 訓練前キャリアコンサルティングを受けて、ジョブカードを発行してもらう。
- 受講開始の1ヶ月前までに、ハローワークに受給資格確認票を提出する。
- 受講開始後は半年ごとに給付金の支給申請をする。
専門実践教育訓練を利用するには、受講開始の1ヵ月前までに準備が必要です。
在職中の人は、なかなかハローワークに行く時間を作るのが大変かもしれません。
まず、受講したい講座・コースが専門実践教育訓練の対象コースかどうかを、学校やスクールで確認するところから始めると良いでしょう。オンライで対応してくれるところも多いため、在職中でも動きやすいはずです。
訓練に利用する講座・コースが決まったら、ハローワークで訓練前キャリアコンサルティングを受けて、受講開始の1ヶ月前までに受給資格確認票をハローワークに提出する流れになります。
これにより専門実践教育訓練給付制度を利用して講座・コースを受講することが決定します。
専門実践教育訓練給付金の支給は、受講開始を基点にして半年ごとに支給を繰り返していくことになります。
ITは仕事しながら学習しやすい
ITは仕事しながら学習しやすい理由
- 受講期間が数ヵ月の短期間で済む。
- オンラインで受講できる。
- 帰宅後や休日に受講できる。
- 学習したことを仕事に取り入れやすい。
専門実践教育訓練を利用して、仕事をしながら何かの資格・スキルを身に付けたいなら、学習しやすいのはIT系です。
専門実践教育訓練給付でプログラミングを学習する場合、Reスキル講座に指定されている講座・コースを利用します。
Reスキル講座とは
経済産業省が「第四次産業革命スキル習得講座」に認定しているITスキルを学べる講座のことです。AIやデータサイエンスなどの高度なITスキルを要する分野に特化した講座が、Reスキル講座の認定を受けています。プログラミング言語ではPythonなどが該当します。
ITスキルは、他の資格・スキルに比べて数ヵ月間という短期間で習得できます。その割に年収が高い業界なので、自腹を切った受講料の回収も早いでしょう。
IT業界は求人が多く、転職に抵抗感の少ない業界なので、転職先を探しやすいのが利点です。
仕事をしながら勉強するというのは大変なことです。しかし、いま頑張って短期間でITスキルを身につければ、今後は手に職で長く活躍していくことができます。
Web系スキル
Web系のスキルは難易度が低いため、Reスキル講座に認定されているコースがありません。
ただ、Web系の講座がセットになっているReスキル講座があるので、Web系スキルを専門実践教育訓練で身につけたい人は、こういった講座を選ぶと良いでしょう。
Web系のスキルはIT業界への足掛かりになります。習得しやすいスキルはWeb制作やWebデザインに必須の言語HTML&CSSです。未経験でも1~2ヶ月で基礎を身につけることができます。
専門実践教育訓練給付金を利用してWeb系スキルを学ぶ方法はこちらの記事で解説しています。
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憧れのWebデザイン・Web制作を教育訓練給付金で習得する方法
プログラミング
プログラミングは分野によってReスキル講座に認定されています。高度なITスキルと見なされるAIやIoT、データサイエンスの講座です。
これらの分野のスキルに共通するプログラミング言語がPythonです。高度な分野の技術開発に使われるというイメージから難しそうな言語という印象を持った人もいるかもしれませんが、逆です。
Pythonは、他のプログラミング言語より格段に読みやすく書きやすく柔軟な言語仕様が特徴です。その使いやすさから先進技術の開発現場で多用されるようになった経緯があり、現在ではAIやIoTの開発言語として定着しています。
じつは未経験者が学びやすい言語であり、しかも、今後のPython技術者の需要はどんどん増えていく見込みがある将来性が魅力です。高等学校の情報科がプログラミング学習で使用する言語も必然的にPythonです。
私も仕事やプライベートでPythonをよく使っていますが、他の言語よりずば抜けて読み書きしやすいと感じます。未経験者がもっとも挫折しにくい言語と言えるでしょう。
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需要爆発!Pythonを教育訓練給付制度で身に付ける【AIやデータサイエンティストで手に職】
専門実践教育訓練を利用してプログラミングを学ぶ方法は、こちらの記事で解説しています。
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専門実践教育訓練給付金でプログラミングを70%OFFで学ぶ方法
まとめ
- 専門実践教育訓練給付金は、労働者の中長期的キャリア形成に資する教育訓練が対象。働きながらでも利用できる給付制度。
- 教育訓練給付金は受講料金を前借りできる制度ではないため、受講料はいったん自費で支払う必要がある。
- 在職中に専門実践教育訓練給付金を利用するには、受講開始までに通算2年以上の雇用保険被保険者であることが要件。
- 専門実践教育訓練を利用して、仕事をしながら何かの資格・スキルを身に付けたいなら、学習しやすいのはIT系。
- Web系スキル:Reスキル講座にセットされたWebコースで学ぶ方法がある。
- プログラミング:Reスキル講座で学ぶ方法がよい。