専門実践教育訓練給付金をわかりやすく解説【支給要件と流れ】

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専門実践教育訓練給付制度を分かりやすく説明した図

専門実践教育訓練は、教育訓練給付制度のうちの一つです。「職業訓練」と混同してしまいがちですが、教育訓練は受講料の一部を国が負担してくれる給付制度です。

専門実践教育訓練給付金は教育訓練のなかでも給付額がもっとも多く、受講料の50%を支給してもらえます。習得したスキルを活かして転職した場合はさらに受講料の20%が追加支給されます。

つまり、授業料の最大70%を支給してもらえるのが専門実践教育訓練給付制度なのです。これを利用しないのはもったいないでしょう。

事前にハローワークで給付金利用の申込みを済ませておく必要があります。受講料はいったん自費で支払っておき、のちに支給申請をして支給してもらうかたちになります。

就労中の人でも利用可能です。もし自分のペースで学習していきたいならITスキルがおすすめです。帰宅後や休日に学習時間をつくれば、数ヵ月で転職可能なITスキルを身につけることができます。

ITスキルのなかでも、とくにWeb系スキルはプログラミング未経験者やパソコン初心者でも身につけやすいスキルです。専門実践教育訓練給付金でWeb系スキルを身につける方法があるので、何を学ぶか迷っている人はWeb系スキルを検討してみると良いでしょう。

この記事では、専門実践教育訓練給付金をわかりやすく解説します。

わかりやすく解説!

専門実践教育訓練給付金をわかりやすくまとめると、次のようになります。

  • 受講料の一部を国が給付する給付制度のうちの一つ。職業訓練ではない。
  • 事前にハローワークで利用申込みが必要。
  • 支給要件:初めて専門実践教育訓練給付金を利用する場合は2年以上の雇用保被保険者であること。
  • 支給額:学校・講座に支払った金額の50%(ただし上限は40万円/年)。
  • さらに資格・スキル習得から1年以内に就職すると20%追加支給(ただし上限は16万円/年)。
  • 失業保険を受給している場合は、受講中に教育訓練支援給付金の支給あり。

専門実践教育訓練給付とは

専門実践教育訓練制度の位置づけ
教育訓練の種類 制度の目的 給付金
一般教育訓練 雇用の安定・就職の促進に資する教育訓練の支援。 受講料の20%(上限10万円/年)を訓練修了後に支給。
特定一般教育訓練 労働者の速やかな再就職及び早期のキャリア形成に資する教育訓練の支援。 受講料の40%(上限20万円/年)を訓練修了後に支給。
専門実践教育訓練 労働者の中長期的キャリア形成に資する教育訓練の支援。 受講料の50%(上限40万円/年)を訓練中6ヵ月ごとに支給。転職でさらに20%(上限16万円/年)を追加支給。

専門実践教育訓練給付金とは、厚生労働省の指定した教育訓練講座の受講料の一部を給付する教育訓練給付金制度のうちの一つです。

厚生労働省が指定する専門的・実践的な教育訓練を受講・修了した場合に受講料の50%が支給されます。

転職すれば支給は7割!

専門実践教育訓練の修了から1年以内に、訓練で身に付けた資格・スキルを活かして転職すれば、さらに20%を追加支給。

あわせて受講料の70%が支給されます。

つまり、専門実践教育訓練からの転職なら、給付金の支給は受講料の7割にもなります。

スキルを身に付けて転職すれば、自費で支払う受講料はたったの3割ということになります。

就労中の人でも利用できるため、手に職を付けて転職を目指す人は積極的に利用したい給付制度です。

専門実践教育訓練の要件

参照:厚生労働省『教育訓練給付制度のご案内』

専門実践教育訓練給付金の支給要件

  • 雇用保険被保険者(雇用保険に加入している人)であること。就労中でも利用可能。
  • 初めて専門実践教育訓練給付金を利用する場合は2年以上の雇用保被保険者。それ以外は3年以上の雇用保険被保険者。
  • 離職者は、離職日から1年以内であること。

雇用保険被保険者とは

雇用保険に加入している人のことです。正社員のみならず、アルバイトでも雇用保険に加入しているケースがあります。給与明細において雇用保険料が引かれている場合は加入者です。

つまり、雇用保険加入者であれば就労中の人でも資格・スキル習得が可能であり、転職にも活かせる教育制度というわけです。

専門実践教育訓練の流れ

専門実践教育訓練の利用の流れ

  1. スクールの入校案内やカウンセリングで専門実践教育訓練の対象コースを確認して給付金利用の案内をしてもらう。
  2. ハローワークで訓練前キャリアコンサルティングを受ける。
  3. ハローワークでジョブカードを作成する。
  4. スクール入校日の1ヵ月前までにハローワークに利用の申込みをする。

専門実践教育訓練給付金をもらうには、ハローワークで事前に手続きが必要です。(お近くのハローワークで構いません。)

ハローワークで訓練前キャリアコンサルティングを受けて、受給資格があることを確認する必要があります。

受講するスクール・講座が決まったら、入校日の1ヵ月前までにハローワークで給付金利用の申込みします。

給付金の支給

専門実践教育訓練給付金を利用するには、事前にハローワークで利用の申込みを済ませておく必要があります。

受講料は、いったん自費で支払っておき、のちに支給申請をして支給してもらうかたちになります。

受講料を前借りできる制度ではないことに注意が必要です。

給付金の支給は、受講修了のあとに支給申請をした後に支給されます。受講期間が6ヵ月を超える場合は、6ヵ月ごとに支給申請をして支給してもらうことになります。

給付金の対象資格・スキル

IT・情報

AI技術者、データサイエンティスト、ネットワーク技術者、サーバー技術者、IoT技術者、ITSSレベル3以上の資格

専門的サービス

キャリアコンサルタント

医療・福祉

看護師、准看護師、助産師、保健師、介護福祉士、美容師、理容師、保育士、栄養士、歯科衛生士、歯科技工士、社会福祉士、柔道整復師、精神保健福祉士、はり師、あん摩マッサージ指圧師、臨床工学技士、言語聴覚士、理学療法士、作業療法士、視能訓練士

販売・製造

調理師、製菓衛生師

技術

測量士補

※そのほか大学・専門学校など履修科目に該当する場合があります。

おすすめのスキルはIT系

  • 他の資格に比べて学習期間が短く、最短3ヵ月程度で習得できる。
  • スクールを利用できるので、毎月募集されているので受講しやすい。
  • プログラミングスクールの受講料は数十万円なので、いったん自費で支払うことができる。
  • 技術者の年収が他の職業よりも高いので、費用対効果が良い。

専門実践教育訓練給付金は仕事をしながらでも利用できます。帰宅後や休日に学習を進めやすい技術・スキル系がおすすめです。

資格のように受験日が決まっているわけではないので、自分のペースでスキルを習得していくことが可能です。

技術・スキル系スクールで専門実践教育訓練給付金を利用できるのは、経済産業省が指定する第四次産業革命スキル習得講座(Reスキル講座)に指定されたAIコースデータサイエンスコースを持つスクールです。

専門実践教育訓練給付金でプログラミングを70%OFFで学ぶ方法

未経験者でも身につけやすいWeb系スキルを組み合わせたコースもあるので、PCスキルに自信のない人やWebデザインに興味のある人は、Web系スキルを含むコースを検討してみると良いでしょう。

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まとめ

  • 専門実践教育訓練給付金とは、教育訓練給付金制度のうちの一つ。もっとも多く給付金をもらえるのが専門実践教育訓練給付金
  • 専門実践教育訓練の修了1年以内に雇用保険被保険者となる転職をした場合に、教育訓練費の70%(年間上限56万円)が支給される。
  • 専門実践教育訓練給付金をもらうには、ハローワークで事前に手続きが必要。
  • 専門実践教育訓練給付金は6ヵ月ごとに支給申請する。そのため、支払った授業料の半期分について計算されて支給される。
  • 専門実践教育訓練給付金は仕事をしながらでも利用できる。帰宅後や休日に学習を進めやすい技術・スキル系がおすすめ。
  • 帰宅後や休日に時間を取って、自分のペースで学習するなら技術・スキル系がおすすめ。専門実践教育訓練給付金でWeb系スキルを身につける方法もある。
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小学生のときにBASIC言語でプログラミングを覚え、社会に出てからはPythonを主力に通信業界で無線設計とGISシステム開発に携わること12年目。プライベートではPHP・MySQLでウェブサービスを作りつつ、副業で収入を得ています。「プログラミングは人生を豊かにする」と実感しています。