教育訓練給付金制度のうち、もっとも給付割合が多いのが専門実践教育訓練給付金です。授業料の50%を支給してもらえます。さらにそのスキルを活かして転職した場合は20%が追加支給されます。

給付金は、入校前に支給してもらえるわけではありません。いったんは自分で授業料を支払って、受講開始日を基点に6ヵ月ごとに還付してもらうかたちになります。
就労中の人でも利用できます。もし自分のペースで学習していきたいなら、IT技術がおすすめです。帰宅後や休日に学習時間をつくれば、数ヵ月で身につけることができます。IT業界は比較的収入が高いため、コストパフォーマンスが良いわけです。
IT技術のなかでも、とくにWeb系スキルはプログラミング未経験者やパソコン初心者でも身につけやすいスキルです。専門実践教育訓練給付金でWeb系スキルを身につける方法があるので、何を学ぶか迷っている人は検討してみると良いでしょう。
この記事では、専門実践教育訓練給付金制度をわかりやすく解説します。
Contents
専門実践教育訓練給付金をわかりやすく!
専門実践教育訓練給付金をわかりやすくまとめると、次のようになります。
- 支給条件:初めて専門実践教育訓練給付金を利用する場合は2年以上の雇用保被保険者。
- 支給額:学校・講座に支払った金額の50%(ただし上限は40万円/年)。
- さらに資格取得・スキル習得の1年以内に就職するとさらに20%上乗せ(ただし上限は16万円/年)。
- 失業している場合は、受講期間中に教育訓練支援給付金の支給あり。
厚生労働省が指定する専門的・実践的な教育訓練を受講・修了した場合に訓練費用の一部を支給する制度です。利用は就労中の人でも構いません。
専門実践教育訓練の修了1年以内に雇用保険被保険者となる転職をした場合は、あわせて教育訓練費の70%(年間上限56万円)が支給されます。
専門実践教育訓練給付とは
教育訓練の種類 | 制度の目的 | 給付 |
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一般教育訓練 | 雇用の安定・就職の促進に資する教育訓練を目的 | 受講費用の20%(上限10万円)を訓練修了後に支給 |
特定一般教育訓練 | 労働者の速やかな再就職及び早期のキャリア形成に資する教育訓練を目的 | 受講費用の40%(上限20万円)を訓練修了後に支給 |
専門実践教育訓練 | 労働者の中長期的キャリア形成に資する教育訓練を目的 | 受講費用の50%(年間上限40万円)を訓練受講中6か月ごとに支給 |
専門実践教育訓練給付金とは、厚生労働省の教育訓練給付金制度のうちのひとつです。雇用保険被保険者が、厚生労働大臣が指定する専門実践教育訓練を受講すると、修了後に本人が支払った教育訓練費の一定額がハローワークから支給される制度です。
もっとも多く給付金を支給されるのが専門実践教育訓練給付金です。
給付の条件/対象かどうか
専門実践教育訓練給付金の支給条件
- 雇用保険被保険者(雇用保険加入者)の方。離職者は、離職日から1年以内の方。
- 初めて専門実践教育訓練給付金を利用する場合は2年以上の雇用保被保険者。それ以外の方は3年以上の雇用保険被保険者。
雇用保険被保険者とは
雇用保険に加入している人のことです。正社員のみならず、アルバイトでも雇用保険に加入しているケースがあります。給与明細において雇用保険料が引かれている場合は加入者です。

専門実践教育訓の申請方法
たとえばプログラミングスクールを利用する場合
- スクールのカウンセリングで専門実践教育訓練の対象コースを確認して給付金利用の案内をしてもらう。
- ハローワークで訓練前キャリアコンサルティングを受ける。
- ハローワークでジョブカード発行してもらう。
- スクール入校日の1ヵ月前までにハローワークに利用申請する。
専門実践教育訓練給付金をもらうには、ハローワークで事前に手続きが必要です。(お近くのハローワークで構いません。)訓練前キャリアコンサルティングを受けて、受給資格があることを確認する必要があります。
スクール・講座が決まったら、入校日の1ヵ月前までにハローワークで申請します。
支給申請のスケジュール
専門実践教育訓練給付金は半年ごとに支給申請します。そのため、支払った授業料の半期分について計算されて支給されます。
いくらもらえるかは、スクール・講座の授業料によって異なります。次の例を見ると理解しやすいかもしれません。
例:年間授業料100万円、入学金20万円
- 入校1ヵ月前まで:ハローワーク申請
訓練前キャリアコンサルティング
ジョブカード発行 - 入校1ヵ月前
- 入校(訓練受講開始)
- 6ヵ月後:35万円
(100万円÷2+20万円)×50% - 1年後:5万円
100万円÷2×50%(ただし上限40万円/年) - 1年半後:25万円
100万円÷2×50% - 2年後:15万円
100万円÷2×50%(ただし上限40万円/年) - 就職:32万円
120万円×20%(ただし上限16万円/年)
100万円×20%(ただし上限16万円/年)
専門実践教育訓練給付金はいつ振り込まれるのか
専門実践教育訓練給付金は、受講開始日を基点として6ヵ月ごとに支給申請します。
支給申請から、早ければ1週間程度で銀行口座に振り込まれます。
専門実践教育訓練給付金はいつもらえるのか
- 受講開始日を基点として6ヵ月ごとに支給される。
- 受講前に支給してもらえるわけではない。
専門実践教育訓練給付金は、受講前に支給してもらえるわけではないことに注意が必要です。
つまり、受講料をいったん自分で支払ったあとに、6ヵ月分づつに分けて還付してもらうかたちになります。
また、1年間において給付される金額には上限があり、最大で40万円までとなっています。
給付金の対象資格・スキル
IT・情報
AI技術者、データサイエンティスト、ネットワーク技術者、サーバー技術者、IoT技術者、ITSSレベル3以上の資格
専門的サービス
キャリアコンサルタント
医療・福祉
看護師、准看護師、助産師、保健師、介護福祉士、美容師、理容師、保育士、栄養士、歯科衛生士、歯科技工士、社会福祉士、柔道整復師、精神保健福祉士、はり師、あん摩マッサージ指圧師、臨床工学技士、言語聴覚士、理学療法士、作業療法士、視能訓練士
販売・製造
調理師、製菓衛生師
技術
測量士補
※そのほか大学・専門学校など履修科目に該当する場合があります。
おすすめのスキルは技術系
- 他の資格に比べて学習期間が短く、最短3ヵ月程度で習得できる。
- スクールを利用できるので、毎月募集されているので受講しやすい。
- 技術者の年収が他の職業よりも高いので、費用対効果が良い。
専門実践教育訓練給付金は仕事をしながらでも利用できます。帰宅後や休日に学習を進めやすい技術・スキル系がおすすめです。資格のように受験日が決まっているわけではないので、自分のペースでスキルを習得していくことが可能です。
技術・スキル系スクールで専門実践教育訓練給付金を利用できるのは、経済産業省が指定する第四次産業革命スキル習得講座(Reスキル講座)に指定されたAIコースやデータサイエンスコースを持つスクールです。
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専門実践教育訓練給付金でプログラミングを70%OFFで学ぶ方法
未経験者でも身につけやすいWeb系スキルを組み合わせたコースもあるので、PCスキルに自信のない人やWebデザインに興味のある人は、Web系スキルを含むコースを検討してみると良いでしょう。
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まとめ
- 専門実践教育訓練給付金とは、教育訓練給付金制度のうちの一つ。もっとも多く給付金をもらえるのが専門実践教育訓練給付金。
- 専門実践教育訓練の修了1年以内に雇用保険被保険者となる転職をした場合に、教育訓練費の70%(年間上限56万円)が支給される。
- 専門実践教育訓練給付金をもらうには、ハローワークで事前に手続きが必要。
- 専門実践教育訓練給付金は半年ごとに支給申請する。そのため、支払った授業料の半期分について計算されて支給される。
- 専門実践教育訓練給付金は仕事をしながらでも利用できる。帰宅後や休日に学習を進めやすい技術・スキル系がおすすめ。
- 帰宅後や休日に時間を取って、自分のペースで学習するなら技術・スキル系がおすすめ。専門実践教育訓練給付金でWeb系スキルを身につける方法もある。
Q & A
- 専門実践教育訓練給付金はどんな制度か?
- 厚生労働省が指定する専門的・実践的な職業訓練を受講・修了した場合に訓練費用の一部を支給する制度。
- 自分が専門実践教育訓練給付金の対象かどうか?
- 専門実践教育訓練給付金を始めて利用する場合は雇用保険加入期間が2年以上の方が対象。過去に利用したことがある場合は3年以上。
- 専門実践教育訓練給付金はどのように手続きする?
- 学校・講座の入校1ヵ月前までにハローワークで手続きする。訓練受講日の1ヵ月前までに訓練前キャリアコンサルティングを受けてジョブカードを作成する必要がある。
- 専門実践教育訓練給付金の支給申請はいつまでに、どのように申請する?
- 半年ごとに、半年経過から1ヵ月以内にハローワークに申請する。
- 専門実践教育訓練給付金はいつ出る?いつ振り込まれる?
- 支給申請から早ければ1週間程度で銀行口座に振り込まれる。