ハローワーク教育訓練給付制度をわかりやすく解説【条件や給付金の違い】

ハローワークの教育訓練給付制度は、労働者のスキルアップを支援する制度です。

いったん自費で受講料を支払う必要がありますが、修了後に国が受講料金の一部を支給(還付)してくれます。

もっとも給付率が多い専門実践教育訓練では、受講料の50%が支給されます。さらに取得した資格・スキルを活かして就職すると受講料の20%が追加支給されます。

教育訓練を利用するなら専門実践教育訓練がお得ですね。

教育訓練給付制度に年齢条件はありません。ただし、専門実践教育訓練と一緒に受給できる教育訓練支援給付金には45才未満の条件があります。

この記事では、教育訓練給付制度について解説します。

専門実践教育訓練給付金をわかりやすく解説【支給要件と流れ】

教育訓練給付制度とは

教育訓練給付制度を簡単にまとめると

  • 労働者のスキルアップを経済的に支援する制度。
  • 受講料の一部を国が支給(還付)してくれる。
  • 就労中の人でも利用可能。
  • 年齢条件は無い。

教育訓練給付制度とは、厚生労働省に指定された教育訓練を修了した場合に、その受講料の一部が支給される制度です。

教育訓練は、就労中の人でも雇用保険加入期間が1年以上あれば利用できます。(※専門実践教育訓練は2年以上。)アルバイトやパート、派遣労働者も対象です。

オンラインで受講できる講座や、夜間・土日に受講できる講座もあります。

つまり、働いている人でも利用できる訓練が「教育訓練」というわけです。

職業訓練と教育訓練の違い

職業訓練と教育訓練は違います。

職業訓練は無料で受講できます。失業中の人が対象なので、失業保険を受給中に利用できる訓練となります。(※失業保険を受給できない人は、かわりに求職者支援訓練を受けられます。)

教育訓練は給付制度なので、受講料をいったん自費で支払っておき、修了後にその一部を支給(還付)してもらうかたちの訓練です。就労中の人でも利用できるので、資格・スキルを身に付けてキャリアアップしたい、キャリアチェンジしたい人なら、ぜひ積極的に利用したい給付制度と言えます。

教育訓練では、割安で学校とかスクールに通えるというわけですね。
とくに専門実践教育訓練は、教育訓練のうちでもっとも給付率が高くてお得です。

教育訓練の種類は3つ

教育訓練制度の種類
教育訓練の種類 制度の目的 給付金
一般教育訓練 雇用の安定・就職の促進に資する教育訓練の支援。 受講料の20%(上限10万円)を訓練修了後に支給。
特定一般教育訓練 労働者の速やかな再就職及び早期のキャリア形成に資する教育訓練の支援。 受講料の40%(上限20万円)を訓練修了後に支給。
専門実践教育訓練 労働者の中長期的キャリア形成に資する教育訓練の支援。 受講料の50%(上限40万円/年)を訓練中6ヵ月ごとに支給。転職でさらに20%(上限16万円/年)を追加支給。

教育訓練給付金の対象となる教育訓練には、一般教育訓練、特定一般教育訓練、専門実践教育訓練の3種類があります。

取得したい資格・スキルによって、利用できる教育訓練が決まっています。

たとえば、プログラミングは専門実践教育訓練で受講することになります。

自分の取りたい資格・スキルが、どの訓練に当てはまるのかを知っておくと良いでしょう。こちらの記事に訓練ごとの資格を掲載しています。

一般教育訓練給付金

  • 訓練前キャリアコンサルティングは不要
  • 受講費用の20%(上限10万円)を訓練修了後に給付。

雇用の安定・就職の促進に資する教育訓練が対象の給付金です。

たとえば、一般教育訓練の受講費用が50万円の場合、給付金額は10万円になります。

特定一般教育訓練給付金

  • 受講開始の1ヵ月前までにハローワークで訓練前キャリアコンサルティングと給付金受給資格確認が必要
  • 受講費用の40%(上限20万円)を訓練修了後に給付。

労働者の速やかな再就職及び早期のキャリア形成に資する教育訓練が対象の給付金です。

たとえば、特定一般教育訓練の受講費用が50万円の場合、給付金額は20万円になります。

専門実践教育訓練給付金

  • 受講開始の1ヵ月前までにハローワークで訓練前キャリアコンサルティングと給付金受給資格確認が必要
  • 受講費用の50%(年間上限40万円)を訓練開始後6ヵ月おきに給付。
  • 訓練修了1年以内に雇用保険被保険者となる就職をした場合、さらに受講費用の20%(年間上限16万円)を給付。
  • 初めて利用する場合は、教育訓練支援給付金を給付。

労働者の中長期的キャリア形成に資する教育訓練が対象の給付金です。

たとえば、受講費用が50万円の場合、給付金額は25万円です。

たとえば、1年間に払い込んだ受講費用が100万円の場合、給付金額は年間上限の40万円です。

専門実践教育訓練は給付額が多いため、受講料の高い学校・スクールで受講することも可能になるわけです。
専門実践教育訓練給付金をわかりやすく解説【支給要件と流れ】

教育訓練支援給付金とは

教育訓練支援給付金とは、失業して専門実践教育訓練給付金を初めて受給する人が、失業中の生活維持のために受給できる給付金。45才未満が対象。

教育訓練給付制度の条件

教育訓練給付制度の条件をわかりやすくまとめると

  • 雇用保険加入期間が1年以上であること。(※専門実践教育訓練の場合は2年以上)
  • 失業している場合は、離職日から1年以内であること。
  • 過去に教育訓練を受けたことがある場合は、その訓練開始日以降の雇用保険加入期間が3年以上であること。
  • 年齢条件は無い。

教育訓練給付制度を利用するときの条件は、雇用保険加入期間が一定期間あることです。

基本的には雇用保険加入期間が1年以上あれば、教育訓練を利用できます。専門実践教育訓練は雇用保険加入期間が2年以上となっています。

ただし、失業している場合は、離職日から1年以内に訓練を開始する必要があります。

仕事を辞めた日から1年以内に訓練しはじめること。

また、過去に教育訓練を受けたことがある場合は、その訓練開始日以降の雇用保険加入期間が3年以上あることが、再利用の条件になっています。

まえにも教育訓練を受けたことがあるなら、3年間は空けること。

年齢条件は無い

教育訓練給付制度に年齢条件はありません。

雇用保険に加入している一般被保険者や高年齢被保険者が、年齢に関係なく利用できます。

ただし、利用する学校やスクールが年齢条件を設けていることがあります。年齢が気になる人は、まずスクールに問合わせてみると良いでしょう。

また、初めての専門実践教育訓練を失業中に受ける場合には、訓練期間の生活維持のために教育訓練支援給付金を受給できます。この教育訓練支援給付金は45才未満が対象となっています。

まとめ

  • 教育訓練給付制度とは、厚生労働省に指定された教育訓練を修了した場合に、その受講料の一部が支給される制度。
  • 職業訓練と教育訓練は違う。教育訓練は給付制度なので、受講料をいったん自費で支払っておき、修了後にその一部を支給(還付)してもらうかたちの訓練。
  • 教育訓練給付金の対象となる教育訓練には、一般教育訓練、特定一般教育訓練、専門実践教育訓練の3種類がある。
  • 教育訓練給付制度を利用するときの条件は、雇用保険加入期間が一定期間あること。
  • 教育訓練給付制度に年齢条件はない。
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小学生のときにBASIC言語でプログラミングを覚え、社会に出てからはPythonを主力に通信業界で無線設計とGISシステム開発に携わること12年目。プライベートではPHP・MySQLでウェブサービスを作りつつ、副業で収入を得ています。「プログラミングは人生を豊かにする」と実感しています。