パソコンのメモリを交換する際には、メモリ規格(いわゆる型番)を知る必要があります。
CPUに対応するメモリ規格じゃないと、CPUが動かないからです。
この記事では、メモリ規格の数字と意味、メモリ規格の調べ方について解説します。
また、信頼性の高いメモリメーカーをご紹介します。
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Contents
メモリ規格と数字の意味
メモリ規格の文字列(型番)を見れば、性能や形状がわかります。
たとえば『DDR4-2400 SODIMM 32GB』の場合、
- DDR4:世代
- 2400:チップ規格
- SODIMM:形状
という具合です。
世代
DDR(Double-Data-Rate)の数字は、世代を意味してます。
SDRを経て、DDR → DDR2 → DDR3 → DDR4と進化してきました。現在の主流はDDR4です。
世代に互換性はありません。
すなわち、CPUがDDR4に適合しているなら、DDR4のみを動かすことができる。ということです。
チップ規格
メモリを選ぶときに最も注意しなければならないのは、チップ規格です。
DDRに続く下4桁の数字はチップ規格(最大動作周波数)を意味しています。
DDR(世代)の中で、さらに細かく性能が規格化されています。
チップ規格 | モジュール規格 | 転送速度(GB/秒) |
---|---|---|
DDR4-2133 | PC4-17000 | 17.0 |
DDR4-2400 | PC4-19200 | 19.2 |
DDR4-2666 | PC4-21300 | 21.3 |
DDR4-2933 | PC4-23466 | 23.4 |
DDR4-3200 | PC4-25600 | 25.6 |
DDR4-3600 | PC4-28800 | 28.8 |
DDR4-4266 | PC4-34100 | 34.1 |
入手しやすいのは太字の規格の製品です。市場に多く出回っています。
形状
SODIMMはメモリの基盤やピン配置の形状を意味しています。
形状 | 用途 |
---|---|
DIMM | デスクトップパソコン |
SODIMM | ノートパソコン・一体型パソコンなど省スペースのパソコン |
『SODIMM』のSO(Small Outline)は小型を意味していて、ノートパソコンに使われます。
DIMMとはピン配置に関する規格です。
形状が違うと、物理的に取り付けできません。
パソコンに取り付けできるメモリの世代と形状は、お持ちのパソコンによっておのずと決まっています。
すなわち、メモリを選ぶということは、CPUに対応するチップ規格を選ぶことになるわけです。
CPU対応メモリの調べ方
パソコンのCPUに対応するメモリ規格の調べ方の手順です。
- パソコンに搭載されているCPUを確認する
- パソコンの製品仕様でCPU対応メモリ規格を調べる
- CPUの製品仕様でCPU対応メモリ規格を調べる
1. パソコンに搭載されているCPUを確認する
Windowsの場合は、タスクマネージャーでCPUの情報を見れば確認できます。
タスクマネージャーを立ち上げて、「パフォーマンス」タブから「CPU」を選んで確認します。
このとき一緒に、実装中のメモリの情報も確認します。
私のThinkPad L580では、次のように確認できました。
- CPU:Intel(R) Core(TM) i7-8550U CPU
- メモリ:8GB
- メモリスロット数:1/2
CPUの型番『Intel(R) Core(TM) i7-8550U』を頼りにして、対応するメモリ規格を調べていきます。
さらにメモリスロットは2つあって、そのうちの1つに8GBのメモリが挿してあることもわかりました。
※タスクマネージャーではメモリ規格までは確認できません。実装中のメモリ規格を確認する方法として「CPU-Z」というアプリケーションが良く使われています。
2. パソコンの製品仕様でCPU対応メモリ規格を調べる
パソコンのモデルおよび型番がわかれば、パソコンの製品仕様でも調べられます。
製品仕様はメーカーのホームページに掲載されています。
- CPUの型番
- メモリ仕様
- メモリ容量(最大値)
の3点を確認しておくのが良いでしょう。
私のThinkPad L580の場合は、Lenovoのホームページで製品仕様を見てみました。
- CPUの型番:i7-8550U プロセッサー
- メモリ仕様:PC4-19200 DDR4 SDRAM SODIMM
- メモリ容量最大値:32GB
取り付けできるメモリのチップ規格は『PC4-19200』、つまりDDR4-2400であることがわかります。
3. CPUの製品仕様でCPU対応メモリ規格を調べる
続いて、CPUメーカーの製品仕様で調べます。
CPUがIntel(インテル)の場合は、Intelのホームページで検索窓に型番を打ち込めば出てきます。
私のThinkPad L580に搭載されたCPUは、Intel(R) Core(TM) i7-8550U です。
Intelの製品仕様で確認すると、『メモリーの種類』に記載されていました。
- DDR4-2400
- LPDDR3-2133
CPUが対応するチップ規格は、DDR4-2400で間違いないということがわかりました。
信頼性の高いメモリメーカー
メモリ規格とそのチップ規格が判明したところで、どうメモリを選べばいいのか。
できるだけ品質の高いメモリを選びたいもの。
しかし、品質を裏付けするものはメーカーの信頼性くらいしかありません。
信頼性の高いメーカーは3社
- CenturyMicro:日本のメモリメーカー。企画・設計から製造までを国内で一元化した生産体制を持つ。
- SanMax:日本のメモリメーカー。出荷時に高温負荷検査を行うなど高品質の維持に徹底している。
- Crucial:米国のメモリメーカー。速度と耐久性を誇るMicron製チップを搭載して高い品質、手に入れやすい価格を実現。
Crucialは品質と価格のバランスが良い
メモリは、品質と価格が比例します。価格が高いと品質が保証され、逆に価格を抑えると品質が犠牲になります。
日本のメモリメーカーの製品なら品質の高さが約束されている印象ですが、なんせ価格が高い。
信頼性が高くて、もっと現実的な価格で手に入れることができるメモリメーカーを探しました。
メモリメーカーを徹底的に比較して、これなら間違いないと選んだのがCrucialです。
Crucialは、Micron製のチップを使用することで品質を維持しながらも、価格を抑えるのに成功しています。
チップ規格を上回るメモリ
CPUが対応するメモリ規格を上回るメモリを取り付けできるのでしょうか。
たとえば、CPUが対応するメモリのチップ規格がDDR4-2400なのに、DDR-2666を取り付けできるのか。
ここで関係してくるのが、CPUの対応性ではなく、マザーボードです。
実は、マザーボードがチップ規格に対応していれば取り付けできるし、正常に動作します。
オーバークロック
チップ規格を上回るメモリを取り付けしてもパソコンが動作するのには理由があります。
CPUのメモリコントローラーが機能してくれるからです。
メモリコントローラ-は、CPUの対応能力を超えないように、メモリの働きを抑制してくれます。
オーバークロックとは、このメモリコントローラーをカットして、CPUの対応能力を超過するクロック周波数で働かせることです。
私のThinkPad L580のCPUが対応するメモリのチップ規格は、DDR4-2400です。
でもメモリの交換では、一つ上のチップ規格にあたるDDR4-2666 SODIMM 32GB KITを選びました。
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まとめ
- メモリ規格の文字列(型番)を見れば、性能や形状がわかる。
- メモリを選ぶときに最も注意しなければならないのは、チップ規格。
- Crucialは品質と価格のバランスが良いのでおすすめ。
- マザーボードがチップ規格に対応していれば、チップ規格を上回るメモリを取り付けできる。