スクリプト言語とは【種類や違いを一覧でわかりやすく解説】

※本記事は広告を含みます。
スクリプト言語 一覧
言語 用途
Python Webアプリケーション、データサイエンス、人工知能、ブロックチェーン
PHP Webサイト制作/運用、Webアプリケーション
Ruby Webアプリケーション
Perl Webサイト制作/運用
JavaScript Webブラウザ、Webアプリケーション、Webサイト制作
Scheme 人工知能
Groovy システム開発、Webアプリケーション
Lua ゲーム開発
VBScript Webアプリケーション

スクリプト言語は、プログラミング言語のなかでも簡易的にプログラムを書くことができる言語のことです。

現在、よく使われているスクリプト言語は、Python、PHP、JavaScriptといったところで、とくにPythonは人工知能やIoTなどの技術開発に使われて需要が急増しています。

スクリプト言語は、記法が簡潔でコンパイル不要なため、初心者にも扱いやすくてプログラミング学習に最適です。

どの言語でプログラミングを勉強したら良いのか…迷っている人は、スクリプト言語から選ぶと良いでしょう。挫折する可能性が小さくなります。

政府の訓練給付金を利用してプログラミング学習する方法があります。プログラミングなどIT技術の習得を目指している場合は、受講料の50%以上が支給されるのでお得です。

スクリプト言語とは

スクリプト(Script)とは

「スクリプト」とは、台本や脚本、原稿など。言葉・文字の集まりを意味する。また、そのように記述できるプログラミング言語はスクリプト言語と呼ばれる。

スクリプト言語とは、わかりやすく言うと簡易的にプログラムを書くことができるプログラミング言語のことです。

もちろんスクリプト言語でプログラミングする場合でも、プログラミングの基本的な制御構文や、その言語の仕様などは知っておかなければプログラムを書くことができません。

それでも、スクリプト言語で書かれたプログラムは、人間が読み書きしやすく、プログラムを動かしやすいため、とても扱いやすいと言えます。

スクリプト言語の特徴

  • 可読性が高い:人間でも読みやすいように書くことができる。
  • 関数が多い:便利な関数があらかじめ用意されている。
  • コンパイル不要:実行する際に機械語へ直す必要はない。

スクリプト言語のもっともな特徴は、人間でも読み書きしやすい言語仕様にあります。

プログラミングの発展とともにアプリケーション開発の規模が大きく複雑になっていく過程で、人間側のプログラミング作業を容易にするために開発されてきました。

つまり、スクリプト言語は、機械側よりも人間側に寄せてあるので、人間にとって扱いやすいわけです。

可読性が高い

スクリプト言語は、プログラムの可読性が良くなるように工夫されています。

プログラムは当然、機械(パソコンや機器)によって読み込まれて、それを動かすことになります。

機械にとって読みやすくすると、そのぶん動作が速い反面、人間にとっては読みづらくなります。

スクリプト言語の場合は、人間にとって読みやすいように工夫されています。それがプログラミングしやすさにつながっています。

プログラムの読みやすさのことを「可読性」と言います。

関数が多い

スクリプト言語の多くは、多くの関数をあらかじめ持っています。

仕事でExcelを使う人なら「関数」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。プログラミング言語の関数もこれと同様のものです。

数値を合計するときは「SUM」という関数を使います。文字数を数えるときは「LEN」という関数を使います。

こういった関数が多く用意されていると、自分の手でその処理をプログラミングする必要がないため、プログラムを簡潔に記述できるようになります。

プログラミング言語があらかじめ持っている関数を「組み込み関数」と言います。

コンパイル不要

コンパイル不要なスクリプト言語を実行させると、機械(パソコンや機器)がプログラムを機械語に解釈しながら処理を実行していきます。

プログラムは、もともと機械語に直す作業(コンパイル)が必要なものでしたが、後発であるスクリプト言語はコンパイル不要です。

プログラミング言語を解釈しながら処理していくことをインタプリタと言います。

現在、よく使われているスクリプト言語はインタプリタなので、書いたプログラムを直接実行することができます。

インタプリタで処理できる言語のことを「インタプリタ型言語」と言います。

スクリプト言語の種類

  • Python:近年はデータサイエンスや人工知能などで使われるようになった。記法が簡潔なため読み書きしやすく、未経験でも学びやすい。ライブラリが豊富なため応用性が高い。
  • PHP:Webサイト制作やWebシステム開発によく使われている。近年はLaravelというフレームワークのおかげで開発がより簡易になった。Webとの親和性が高い。
  • Ruby:Webアプリの開発によく使われている。日本発の言語であるが、Ruby on Railsというフレームワークのおかげで開発が簡易になり、2010年あたりに大流行した。
  • Perl:30年ほど前のWebが普及し始めた頃にWebサーバーに実装されて流行した。自由な記法で書きやすいが、人のクセが出やすく読みにくい。現在はほとんど使われなくなった。
  • JavaScript:Webブラウザが実行環境でもあるため、WebサイトやWebアプリで多用されている。サーバーやネットワークなど実行環境が広がっており、今後も注目度は高い。

現在でもよく使われているスクリプト言語は、Webとの親和性が高い傾向があります。

WebブラウザやWebサーバーに実装されたり、Webサイト制作やWebアプリの開発に使われることが多いです。

時代によって流行はやすたりが見られ、Webが普及し始めた頃に多用されたPerl、2010年頃に大流行したRubyは、徐々に需要が減少しています。

今後も需要が増加していく傾向が見られるのはPythonとJavaScritptです。

Pythonは2010年頃に米国でデータサイエンスの分野で使われるようになって、現在では人工知能やブロックチェーンなどの開発で多用されています。今後も多くのPython技術者の需要が見込まれます。記法がシンプルなのでプログラミング学習にも適した言語です。

JavaScriptはインターネットが普及し始めた頃からWebブラウザに実装されており、現在ではWebブラウザで動作するGoogleドライブなどのアプリケーションにも使われています。今後もさまざまな用途を期待できる言語です。Webデザイナーのスキルの一つです。

スクリプト言語の例

スクリプト言語の例としては「P言語」があります。

Python、PHP、Ruby、Perlのスクリプト言語の頭文字が「P」を含むことから、この4つはまとめて「ピー言語」と呼ばれることがあります。

Pythonは特に応用性があり、データサイエンスや人工知能の分野にも使われるようになっています。

プログラミング言語Pythonの特徴【できること・難易度・学習方法】

他のプログラミング言語との違い

スクリプト言語は、プログラミング言語のなかでも、記法や仕様によって簡易的に記述できる言語のことを言います。だから当然、プログラミング言語です。

スクリプトのように簡易的に書けるからと言って、「スクリプト言語はプログラミング言語ではない。」ということではありません。

プログラミング言語とスクリプト言語は区別されるものではなく、プログラミング言語のなかで、とくに簡易的にプログラミングできる言語がそう呼ばれているというだけのことです。

また、マークアップ言語とは明確に違います。

  • プログラミング言語:制御構造を持つ。ゆえに機械の動作をプログラムできる。
  • マークアップ言語:制御構造は無い。プログラムを記述できない。

インタプリタ言語との違い

スクリプト言語とインタプリタ型言語は、区別するときの概念がそもそも違います。

  • スクリプト言語:記法や仕様によって簡易的にプログラミングできる言語。ほとんどはインタプリタで実行される。
  • インタプリタ型言語:プログラム実行の際、機械語に解釈しながら処理していく言語。

スクリプト言語は、インタプリタで実行されるものがほとんどです。しかし、「インタプリタ型言語だからスクリプト言語である。」ということではありません。

この二つの区別を混同しがちなのは、スクリプト言語の多くがインタプリタだからでしょう。

スクリプト言語は高水準言語

  • 高水準言語:人間が読みやすい仕様を持つプログラミング言語。スクリプト言語も高水準言語に当てはまる。
  • 低水準言語:機械が読み取りやすい仕様を持つプログラミング言語。

スクリプト言語のほとんどは、高水準言語に当てはまります。高水準言語とは人間にとって読みやすい仕様を持つ言語のことです。

むしろ、そうあることを理想にしてスクリプト言語が生まれたと言えるでしょう。

たとえばPythonの言語仕様は、ルールを守って記述すれば英文に近くなるようにできています。

逆に、低水準言語では、機械が読み取りやすいようにプログラムが記述されます。

コンパイラ言語との違い

スクリプト言語のほとんどはインタプリタで実行されるため、コンパイルが必要ありません。

  • スクリプト言語:ほとんどがインタプリタで実行されるため、コンパイルは必要ない。プログラム実行時に機械が解釈しながら処理していく。
  • コンパイラ言語:プログラム実行のまえに、機械語に翻訳する作業が必要となる。

スクリプト言語とコンパイラ言語の違いは、スクリプト言語のほとんどはインタプリタであるため、コンパイルの必要が無いというところにあると言えます。

だからと言って、「スクリプト言語ではないからコンパイラ言語である。」ということにはなりません。

スクリプト言語にも、コンパイルできる言語が存在しています。

スクリプト言語の対義語がコンパイラ言語ということではありません。区別の概念が違います。もしどうしても反対のことを言いたいなら「非スクリプト言語」というのが適当かもしれません。

スクリプト言語もコンパイル可能

スクリプト言語のほとんどはコンパイル不要です。

しかし、コンパイルすることで機械が読み取りやすくなって高速に処理できるようになるため、スクリプト言語をえてコンパイルするケースもあります。

たとえばPythonは、コンパイルしてから実行することで高速に処理させることができます。

通常はインタプリタで実行されるスクリプト言語のプログラムでも、コンパイルすることで機械が読み取りやすくなるため、高速に処理できるプログラムになります。

スクリプト言語のメリット

  • 人間が読み書きしやすい。(←初心者に向いている)
  • プログラムの改造や修正がしやすい。
  • コンパイル不要で直接実行できる。

スクリプト言語のメリットは、人間が読み書きしやすいという点にあります。

いったい何が書かれているのか、どういう処理を記述しているのかを読み解きにくいプログラミング言語への不満を解消したくて、スクリプト言語が考え出されたと言えます。

スクリプト言語は人間の言語に寄せているため、プログラムを読み解きやすく、それゆえに改造や修正をしやすくなります。

作ったプログラムをカスタマイズしやすいということです。

また、書いたプログラムを直接実行できる手軽さもスクリプト言語の大きなメリットです。

スクリプト言語は初心者向けでもある

スクリプト言語は読み書きしやすい言語仕様を持っているため、プログラミング初心者向けと言えます。コンパイル不要という点も、初心者にとって扱いやすく感じるでしょう。

もちろん、プログラミング初心者だけのものではなく、プロフェッショナルにも使われるものです。

たとえばPythonは、データサイエンスや人工知能、ブロックチェーンなどの高度な技術開発に好んで使われているスクリプト言語です。

個人的にはPythonを学習するのがもっともコストパフォーマンスが良いと感じます。記法が簡潔で学びやすく、未来の技術開発で使われていくため需要が尽きないからです。

スクリプト言語のデメリット

  • 処理速度がコンパイラ言語よりも遅い。

スクリプト言語のデメリットは、コンパイラ言語よりも処理速度が遅いという点です。

スクリプト言語のほとんどはインタプリタで実行されるため、プログラムを1行づつ機械語に訳しながら処理していくことになります。

そのため、プログラム実行中にいちいち翻訳する手間が入ることになり、そのぶん処理速度が犠牲になってしまいます。

対して、コンパイラ言語は、あらかじめ機械語に直してから実行するため処理が速くなります。

インタプリタは、通訳を挟んで会話しているようなイメージに近いです。

スクリプト言語の速度は遅い

スクリプト言語のほとんどがインタプリタで実行されていくことを考慮すると、スクリプト言語で書かれたプログラムの実行速度は遅いと言えます。

コンパイルした言語の10倍~100倍ほど遅いと言われています。

ただし、遅いとは言っても、現在のコンピューターや機械は超高速でプログラムを実行するため、人間が処理の遅さを感じられるレベルではありません。

高度な科学技術計算や膨大な計算量を要するプログラムでなれば、ふつうは不満を感じることはないでしょう。

まとめ

  • スクリプト言語とは、わかりやすく言うと簡易的にプログラムを書くことができるプログラミング言語のこと。
  • Webとの親和性が高く、Webサーバーに実装されたり、Webサイト制作やWebアプリの開発に使われることが多い。
  • スクリプト言語とコンパイラ言語の違いは、スクリプト言語のほとんどはインタプリタであるため、コンパイルの必要が無いというところ。
  • スクリプト言語は読み書きしやすい言語仕様を持っているため、プログラミング初心者向けと言える。
  • 政府の訓練給付金を利用してプログラミング学習する方法がある。プログラミングなどIT技術の習得を目指している場合は、受講料の50%以上が支給されるのでお得。
  • この記事を書いた人

non

小学生のときにBASIC言語でプログラミングを覚え、社会に出てからはPythonを主力に通信業界で無線設計とGISシステム開発に携わること12年目。プライベートではPHP・MySQLでウェブサービスを作りつつ、副業で収入を得ています。「プログラミングは人生を豊かにする」と実感しています。